読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

エルの楽園

Twitterで垂れ流すには見苦しい長文を置きます。 あ、はてな女子です。

大阪市長選ならびに大阪都構想についての一市民の見解

※発言はすべて個人の感想です。

 

  しかし、橋下徹さんは言うまでもなく、その対抗候補が事前の予想をはるかに上回る面白ピーポーで固められている現状を、大阪市にお住まいの皆さまはどうお感じになられているのでしょうか。

大阪市長選がいろいろとアレな件で: やまもといちろうBLOG(ブログ)

と都民の方からお尋ねがあったので一市民の見解をご紹介する。

 

まず自己紹介。関西人歴12年、うち大阪人歴5年。主に大阪市キタエリアに居住しているが、阪南エリアもちょろちょろ。まだあべのハルカスには行ってない。大阪に来る前は都民だったが関西のメシが旨すぎるのでもう東京に戻りたくはない。

橋下市長については概ねよくやって下さっているとは思ってはいるが最近はどうもお仕事に雑さが目立つし、かつ都構想にはまったく賛成できない。本件については後述する。

 

で、今回の選挙についてどう思っているかですって?

 

よほど維新の会の熱心な支持者でない限り、今回の選挙に道理も大義もないことは全大阪人が理解している。しかし、実のところどうしようもなかったし今この瞬間においてもどうしたらいいのか分かっているひとはいないのではないだろうか。

ぶっちゃけ都構想について理解なり賛成なりをしている市民は多数派ではない。しかしながら市長は大変にご意志の強い方であらせられるし、彼を無理に引きずりおろして再選挙したところで対立候補は今回の通りお察しだ。一体何をどうやればこの事態が打開できるというのか?この心境を一言で説明するなら「あきらめ」だ。

この辺りの気持は都民も同じではないだろうか。誰も前回の都知事選に満足なんかしていないのだろうが、ではどうすればそんな事態を解決できたというのか?「ロクな候補者がいない」という問題の根はあまりにも広く深い。こんな時、現行の選挙制度の限界を感じてしまう。

(see also: 理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書))

事態はなるべくしてこうなったし、誰にも止められなかった。天災と一緒だ。ならば精々税金を使った分くらいはおもろいお祭として今回の選挙を消費するしかないんじゃない??いやーー本当におもろいメンツが集まって嬉しいわーーお笑いの街の面目躍如だわーー( ゚∀゚)アハハハハ八八ノヽノヽノヽノ\/\ 

 

……以前に都民と大阪市民と武雄市民と阿久根市民辺りで「スチャラカな首長を頂く市民の会」を結成し「本ッ当にウチのメイヤーはしょうがねーよなー」とグダグダ飲んだくれる宴会をしたいと構想していたが、今でもその気持は変わらない。該当する市民の方、よろしければご一緒に飲みませんか?

 

今回の選挙に関する感想ですが、こちらからは以上です。

 

ここからは都構想についての話。

 

都構想についての詳細はこちらに維新の会による公式サイトがあるからそちらをご覧いただきたい。

大阪都構想 二重行政のムダをなくす。豊かな大阪をつくる。|大阪維新の会(日本維新の会 大阪府総支部)

 

ざっくり説明するとこういうロジックだ。

・大阪は大都市なのにどうも貧乏で景気が悪い。それはなぜか?

→それは大阪市大阪府とで足並みを揃えずバラバラに予算を使い、それが全部無駄になったからだ。二重行政が悪いんや!!

→したがって大阪市大阪都にし二重行政を解消すれば万事解決!

大阪都で全体的な成長戦略を、都内各区できめ細やかな基礎自治サービスを提供するよ!これで役割分担完璧、二重行政は解消される!

 

我が国には現在20の政令指定都市がある。実は大阪府内にももう一つ堺市があるのに、なぜかそっちは完全放置だ。横浜市民でも、名古屋市民でもいいが、自分のところの市長がある日こんなことを言い出したらどんな気持がする?とりあえず頭痛はするでしょ??

それで市長が乱心したから取り換えようと思っても、対立候補は下手な吉本芸人よりおもろいキャラばっかりなんやでーー( ゚∀゚)アハハハハ八八ノヽノヽノヽノ\/\ 

 

……実のところ橋本市長は大阪都構想を市長になる前から提唱していたから、大阪市民は彼を乱心していると知りながら当選させた訳なのだが、大阪市民の大半は今に至るまで大阪都構想脱原発くらいには「できっこない」と思っている。だから市長がどんなに大阪都構想を声高に唱えようが、ほとんど実害はないのだ。まぁたまにこうして6億円くらい無駄にされるくらいである。

 

その上で都構想については下記の点に強い懸念がある。

  1. 大阪市が貧乏なのは本当であり、その原因に税金のムダづかいもあるだろうが、それは本当に二重行政の解消によって解決するのか?
  2. そもそも都の掲げる成長戦略とは何なのか?
  3. 二重行政は都構想によってしか解消できないのか?

 

まず第一の点。

Q.08二重行政のせいで、どれくらいの税金がムダになったの?

これまで大阪府大阪市は、類似の施設やプロジェクトに競い合うように税金を費やしてきました。こうした二重行政による「お金のムダ」は膨大な額にのぼります。例えば、大阪府りんくうゲートタワービルに659億円、大阪市WTCに1,193億円の税金を投入しましたが、どちらの事業も破綻しました。それ以外にも二重にムダな税金が費やされてきた施設、プロジェクトは枚挙にいとまがないくらいです。こうした「お金のムダ」を無くすのが大阪都構想です。

 

大阪都構想について|都構想のQ&A|大阪都構想 二重行政のムダをなくす。豊かな大阪をつくる。|大阪維新の会(日本維新の会 大阪府総支部)

例に挙げられているりんくうゲートタワーとWTCだが、両者は地理的にかなり離れているものの、どちらもオフィスビルとして使用したいとは到底思えないほど辺鄙なところにある。東京都で例えると……そうだな、片方は成田空港横づけでもう片方が東久留米とか?

両方とも破綻したのは事実だが、その原因はどちらもロクな見通しなく辺鄙なところに分不相応な巨大ビルを建設したからであり、府と市がバラバラに事業を行ったからではない。府と市が連携してどちらか片方のみに建てていたら成功していたとでもいうのか?断言してもいいが、建設されたのがWTCだけだったところで結果は同じだっただろう。他の事業についても同様だ。

 府も市も税金の無駄遣いをしているのは確かかもしれないが、その原因は二重行政などではない。根本的に税金投資のポリシーが誤っている。このポリシーを修正しない限り、二重行政が解消されようがなんだろうが結果は同じだ。

 

次に第二の点。

維新の会のひとたちは「成長戦略」が口癖だ。廻るピンクドラムを彷彿とさせるレベルである。しかしその「成長戦略」の中身が何であるか、一般の大阪人はマトモに聞かされたことがない。精々カジノ構想ぐらいか?しかしそのカジノ構想もなぜか一度失敗済みの南港エリア(先述のWTCがあるところね)を再開発してカジノを作るとかいうもので、なぜ一度焦土になった野辺に更に税金を投入するのかさっぱり意味がわからなかった。

まだほかにももっとマシな成長戦略があるのかもしれない。しかし個人的には「成長戦略」なるものを大阪府全域で一本化すべきなのかどうか、という点から疑問を持っている。大阪府は広く、地政学的にも多様性がある。どんな成長戦略だか知らないが、泉佐野市と大阪市能勢町で同じ戦略が通用するとは思えない。むしろ全体で共通のサービスを提供すべき基礎自治サービスこそ広域で取り組み、成長戦略は地域の多様性を重んじるべきではないだろうか?

 

そして第三の点。

二重行政問題は大阪だけの問題ではなく、政令指定都市を抱える多くの土地で発生している。政令指定都市は権限が大きく、他の街なら都道府県が担当する領域にまで足を踏み込んでいるので、いわゆる二重行政問題が発生するのだ。

これを解消するには大阪都なんかにする必要はなく、単に大阪府大阪市から手を引けばいいのである。警察や河川の管理はさすがに移譲が現実的でない事務だが、かぶっている領域については手を引けるはずだ。

Q.07二重行政は「大阪都」にしなければ解消できないのか?

できません。組織と指揮命令系統の一本化がどうしても必要です。

大阪都構想について|都構想のQ&A|大阪都構想 二重行政のムダをなくす。豊かな大阪をつくる。|大阪維新の会(日本維新の会 大阪府総支部)

 大阪府大阪市から撤退すれば組織も指揮命令系統も問題なく一本化される。

 

個人的には以前から「都道府県、いらないんじゃない?」と思っていた。広域にかかる事務や行政を執り行うには一部事務組合や広域連合という制度がある。現行の都道府県の垣根を越えて、市区町村レベルで組むべき街と組めばいいのだ。都道府県という区分けの仕方はあまり実情に沿っているとは思えない。なぜ尼崎が大阪ではなく兵庫なのか?とか。

そんなに二重行政が嫌なら、いっそいくつかの事務を処理するための広域連合のみを残して大阪府を廃止してはどうだろうか。市を解体するのではなく府が消滅するという選択肢が検討されないのはなぜなのか?この方が維新の会がモデルとして掲げる諸外国の連合市制度にも合っていると思うのだが。